[DIY]L字棚、今回もいくつかのトラブルを経て何とか組み立て完成
やっと組み立てまで完成しました!
今回もいろいろトラブルありながらも何とかここまでできましたー。
このL字棚については構想から完成まで、後で簡潔にまとめるつもりなのでとりあえず今回もかけ足で。
いきなりトラブル
今回は、棚板をL字に繋ぐところから始めるつもりでした、こんなふうに。
この板はどちらも奥行き25cmの既成品を買ったのです。ところがですよ、
あれっ?
25.5cmある気がするんですが・・・。
ということで、いきなりトラブル、というか不良品に当たったようです。で、いまさら仕方ないので5mm削ることにしました。
お役御免と思っていたノミ、ふたたび登場
ノコギリしか持っていなかった頃の私ならきっと途方に暮れていただろうと思います。しかし今の私はノミを使って木材を切りかぐという方法があることを知っているのです(ドヤァ。
ということで、こんな風に墨付けして軽くノコで切れ目を入れて、
おお!気持ち良いほどノミできれいに落ちます。
こんな感じでガタガタしてて、真ん中あたりはちょっと掘りすぎましたが、
ノコで切れ目入れすぎたところはキズ残ってますが、ノミで削ったり、ヤスリで整えたらだいぶ滑らかになりました。
しかし測ってみると2mm少なかった。削り過ぎちゃったけど、まあ技術不足は仕方ないです。まあ不良品のおかげで、案外簡単に棚幅を変えられるんだなと、ちょっとひとつ勉強になりました。
合釘を使って棚板をL字に繋ぐ
ということで、やっと本来の作業に戻ります。
この二枚の板が接する部分に、
こんな風に墨付けをしておきます。
そして今回はこの合釘を使って棚板をつなげます。種類は少ないけど合釘はアマゾンや東急ハンズなどでも売ってますね。私はもちろん近所のコーナンで買いました。
そして、二枚の板の半分づつにクギが刺さるようにしたいので、合釘とドリルの先端を並べてドリルのどのあたりが合釘の半分に相当するか確認しておきます。
そして板の側面の墨付けした部分に穴を開けるのですが、
ここでまたトラブル。ドリルが折れた!
これは焦る。先端は板に埋まったままです。どうやって取り出そう・・・。
考えた挙句、横に大き目の穴を開けてクギで掻き出し、どうにかペンチで引き抜ける状態へ。
抜けました。
その後コーナンへ1.5mmのドリル先端を買いに。
(が、「あ、これ、2mmのドリルのほうがジャストサイズだったわ」と、コーナンは徒労であったことがのちに発覚します。)
折れたドリルと、無くてもよかった新入り。
気を取り直し、ちょっと木くずを詰めたりしながら開けた穴に合釘を差して、
もう一方の棚板も揉んで(穴開けて)木工ボンドを塗り、
ハンマーでトントン叩けばL字棚板完成です。
これを同じ要領で5組作って棚板接続作業は終了。いよいよ板をはめ込んでいきます。
棚板の設置および脚と腕木の接続
そしていよいよ棚板を設置していくわけですが、こんな感じ。良いですねー。
上の段の梁がじゃまになったのでいったん外し、棚板を置いてまた梁を留めなおすという手間が必要でしたが、なかなかきれいに収まりました。
それと、当初付ける予定のなかった手前の脚ですが、写真の通り、もうその部分を切り欠いでしまったので、付けないという選択肢はもうないのでした。ということで、足の方もカギ込みの手法で組み立てて、
こんな感じで、木工ボンド+ネジで接続しました。
後は、木工ボンド+ネジで腕木を接続したり、
このように錐揉んで、
棚板をネジ止めしたり、
上から眺めてみたり、
ネジを締め直したり、邪魔になってる部分を切り欠いだりいろいろ微調整しながら、
あー、やっとできましたー。
いやー長かったなぁー。私が超スローペースでやってたせいもあるけど、途中、柱をバキッとやってしまった以降、トラブルがいくつもあったり、何かと思う通りにいかずに時間がかかりましたが何とか完成しました。
その中でも、柱と梁を繋ぐネジがちゃんと根本まで締まらないというのはちょっと焦りました。あっちのネジを緩めてみたり、こっちの下穴を深くまで掘り直してみたりと、四苦八苦してる間にどうにかうまく収まりました。
近くで見ると、座堀りすぎたところとかあまり美しくない部分もありますが、こう遠目で見るとちゃんと出来てますね。
そして心配してた安定性ですが、もしかしたら手前の脚なくてもよかったんじゃないかというくらい安定していて、ちょっと揺すってみてもびくともしない感じです。やっぱりL字で縦横に梁や板が走ってるのでそのせいかなぁ・・・。ついで言うと、腕木もいらなかったのでは?という気もするのですが、長く使うことを考えるとやっぱり負荷を分散させるためにも付けておいて安心かと思います。
そして当初補強のために付ける予定だった三角の木材も、どうやら今のところ不要のようです。もし使っているうちに弱ってくるようだったら付け足すかもしれませんが、それまではちょっと眠っててもらいましょう。
で、ここでSketchUpの設計図と見比べてみると・・・、
いやー、そっくりそのままじゃないですかー(後ろはダミーの冷蔵庫)。ほんと言うとSketchUpのほうも前回ブログに上げた画像からちょっと脚の仕様変更したりしてますが、かなり思い通りにできました。
現物はもうすでにこんな感じに荒らされてますが、(整理整頓ベタもこのブログで課題としていこう)なかなかの収納力です。
(収容物は謎の取説群から、防災グッズ、ストック品、どう処理してよいかわからない雑貨等々・・・。)
まだオイルを塗ったり、気に入らないところをヤスリがけしたりとやりたいことはあるので、それ済んだらまたまた更新しようと思います。
あと、作業も文章もユルく進めてきたので、オイル塗りまで済んだらあらためて「Lで字棚まとめ」として簡潔に作業工程をまとめ直す予定です。
人徳は遅れてやってくるのか。谷垣幹事長人事に見るコミュニケーションコスト事例
ここ数日、内閣改造が話題になってましたが、そんな中こんなニュースが耳に飛び込んできました。
野党時代自民党総裁を務めた谷垣さんが次の幹事長に抜擢されるとのこと。この人事にどんな意味があるか、最近政治のニュースを見てないのでわからない部分多いですが、野党時代の谷垣さんを応援していた自分としてはその名前を耳にしてかなり嬉しい事件でありました。
元総裁が幹事長を務めるのは前例がないとのことで、党四役の会見でも谷垣さんに質問が集中してました。そんな会見を見ながら、安倍さんはなぜ政策的に考え方が違う谷垣さんを指名したんだろうとこの人事についてぼんやり考えておりました。
そしてふと、先日はてブ経由で読んだこの記事を思い出しました。
コミュニケーションコストがかかる人は相手にされない | サイボウズ式
一部引用すると、
まわりに人が集まるタイプの人間はコミュニケーションコストを下げる努力を取っているなぁと感じるのです。報連相1つを取っても、声をかける方が億劫にならないようにしている。それは話しかけられたときにうっとおしそうにしないことであったり、聞き返すときに詰めるような物言いをしないことであったり、相手が聞きたいことではなく自分の喋りたいことを喋るような愚行を犯さなかったり。
端的にいうと<からみやすい人間>なのだ。
谷垣さんが「まわりに人が集まるタイプの人間」かはわかりませんが、私が報道やネット 越しに谷垣さんを見ていた限り(実物と握手した時もいい人でしたが)、ここで言う「コミュニケーションコスト」の低い人であることは間違いないと思われます。
誰に対しても偉そうな態度はとらない、人の話をちゃんと聞く、質問にははぐらかさず丁寧に答える。総裁時代の定例会見など見ていてもそんな印象でした。政治家にしては珍しいタイプで、ややもするとここはマウンティングしないと舐められる世界でもありますが、ご本人はそんな世間の評価などどこ吹く風と言った感じで粛々と職務を進められていたのが印象的でした。
それでこの「コミュニケーションコストが低い」とは、一言で言うと「この人やりやすい」ってことだと思うのですが、この少し前に現幹事長の石破さんとギクシャクしてた安倍さんとしては、この「やりやすさ」何か救いを感じたのかも知れません。
先にもちょっと言いましたが、やりやすくてちょっと舐められるようなタイプというのは、実際自分の周りにもいたりしまして、こういった人は空気や水のごとく、存在してくれている間にはそのありがたみを感じにくいけれど、一度いなくなって初めて「ああ、あの人良かったなぁ」と人に思わせたりします。野党時代谷垣さんの下でやってきた議員さんの中にも、今そう感じてる人もいるんじゃないかなぁと自分の経験からも想像したりします。
ところでこの元記事の中に、
ある一定の規模感を持った仕事はチームをいかに機能させるかという話になる。
とありますが、谷垣さんの場合も野党に転落してお金等々のリソースや、与えられるポストが限られる中、どう効率的に組織を機能させるかといったところで苦心されたという話も聞きます。今思うと、コミュニケーションコストを下げられるリーダーだったから無駄なく組織を機能させられたのかも知れない、当時の谷垣さんを少し知ってる私としてはそう思ったわけです。谷垣さんの場合は「下げた」わけじゃなくナチュラルにそうだった気はしますが。
震災と原発事故で混乱する中、いろんなことを言う政治家がいました。脱原発の菅さん、大阪都構想の橋下さん等々・・・。みんな最初は威勢は良かったものの、なんだかなぁ~という感じでしゅわしゅわと霞んで行きました。そして残ったのは党勢を回復した自民党でありました。
この記事で言われる「コミュニケーションコストを下げる」の対極にはマウンティングのような行為があるように思われますが、そんなマウンティングをやりあってる人たちの本質とはこんなものだったかという事実を突きつけられたのがここ数年の政局だったように思います。
幹事長抜擢は、もちろん野党時代に組織をまとめ党勢回復を果たした実績や、選挙の強さで選ばれたというのもあるでしょうが、案外このコミュニケーションコスト、つまり取っ付きやすさというのも大いに関係してそうな気がするなぁということで、政策や政局とは全く違った角度からちょっと書いてみました。
元記事には、コミュニケーションコストを下げてギブすればテイクが返ってくると書いてありますが、谷垣さんにとってこの幹事長抜擢はギブなのかテイクなのかわかりません。ただ、コミュニケーションコストを下げれば何かしらのチャンスか何かが生まれるということの好事例のように感じました。
一般的には増税派ということで叩かれがちな谷垣さんですが、(まあ、増税なんてみんな嫌だし私も嫌ですが)そんな時間を経て熟成された人徳を以ってますますご活躍されることを心から祈っております。
[DIY]L字棚、座彫り(座堀)から骨組みまで(そしてトラブル)
今回は座堀から骨組みまで進みました!
前回は左右の柱に梁を接続するところまで進みましたが、今回は、一番ややこしかった真ん中の柱の接続までです。
何がややこしいかというと、真ん中の柱は壁側と梁と冷蔵庫側の梁の両方と接続するので、木ネジが入り組みクロスしてニアミス起こしそうなわけです。さらにある程度太さがあり、「座掘る」という技にも挑戦しどころということで、いろいろありましたが何とか進めました。
ではザボる前に、普通に穴あけ(錐揉み)作業から。
柱の錐揉み作業
墨付け(位置決め)して、普通のサイズ(3Φくらい)のドリルで穴を開けます。
私は下手なので、真っ直ぐドリルを立ててるつもりでもかなり斜めってます。なので、木ネジを入れる方ではなく、ネジの先端が出てくる側から穴を開けました。そのほうが梁側に開けた穴とのズレが少なく合わせやすいはず、という算段です。
で、実際裏返してみると、この通りかなりずれとります。
ザボるのはもちろん、こっちのネジをねじ込む側です。
これで座堀前の穴あけは完了。
その他、梁の方の断面や、同じ柱の別方向(座堀るのが東西方向なら、こちらは南北方向)にも普通に錐揉みしておきます。
座堀る側は柱の奥行きが4cmと厚みがありますが、もう一方は3cmで、あまり掘りすぎると逆に柱の強度が弱くなりそうなので座掘らないことにしました。
奥行きのある柱を座掘る
当初、柱と梁は合釘を数本使って接続しようかなと思ってたんですが、「ちょっと強度が不安かも」と父がお盆に来たときに相談したら、ふと思いついたように、
「ザボったらええかも知れんな」
と教えてくれたのがこの「座堀」です。
「座堀」は、クギやネジの頭が木材の中に埋まるように予め木材をある程度の深さまで掘っておくことのようです。
これは前からうちにある組み立て式の家具の一部ですが、よく見るこの処理は座堀だったんですね。
ちょっとググったところによると、ネジの頭が邪魔にならないようこのような処理をするようですが、今回は、
「短い木ネジを深く差し込める」
ということで、父は座堀を提案してくれたようです。
柱の太さが4cmあるのですが、ホームセンターで量販されてる木ネジでは長さが十分じゃない場合があります。でも強度のためにはなるべく深くねじ込みたい。そういう理由で今回「座堀」という方法でやってみようとなったわけです。
先日コーナンでゲットしたこの直径12mmのドリルを使います。いずれまた使うかもということで、ちょっと大きめを選びました。
まずは余ってる木材で試し掘り。
このサイズのドリルは初めてなので、ちょっと怖かったのですが、特に問題なく使えました。
では本番。
時々こうやって印をつけたつまようじで深さを調べながら、
こんな感じになりました。
あんまり美しいとは言えないけど、まあOKでしょう。(一箇所掘りすぎて焦りましたが)
組み立て作業
組立作業は苦労ありトラブルありでちょっと大変でした。
横の柱と真ん中の柱を梁で接続した後に、一箇所錐揉みと座堀りを忘れていることに気付きました。で、うんざりしながらその処理をしたそこまではいいんですが、ザボったところに木くずが詰まったので、組み立てた状態のまま柱を裏返して机にトントンして詰まった木くずを落としていたわけです。その時手元でバキッとやな音がw
節のところから折れてました。横の柱はかぎ込んでてまだ腕木を嵌め込んでない状態なわけで、要するに脆い状態だったわけですが、それに気づかず机に打ち付けて余計な力をかけてしまったと。手順を間違って冷静さを失い、トラブルがトラブルを呼び、さらに頭に血が上るという悪循環の典型でした。(頭に血が上っていたので、割れ目の写真など撮る余裕なし)
しかし、墨付けから切り出し、ヤスリがけ、欠き込みという手間をもう一度やり直すなんてありえない、そんな選択肢ない、つまりこの柱でいくしかない、心はその一択です。
ということで、焦りながらも木工ボンドをたっぷり流し込み、しっかり合わせ押さえこんで木ネジ2本で留めたのがこちら。
欠き込んだ場所から上にヒビが走っておりますが、どうやらしっかり留まったらしく、予後の経過は悪くなさそうです。
で、組み立て作業のほうですが、うーん、どうもきれいにネジが入らなかったり、90度のL字になるはずが93度くらいの開き気味だったり、欲張ってザボり過ぎ(深さ1.5cm)てネジが露出してしまったりとちょっと落ち込む感じ・・・。欲張らずに1cmくらいにしておけばよかったと後悔。
うーん、写真にも私の心の乱れが読み取れるようです・・・。
上手くいったところでこんな感じ。
でもまあ、一応骨組みのかたちにもなったわけだし、全体的には悪くないと気を取り直して作業を進めます。気に入らないところはまた棚板嵌め込んで、頭冷やしてから調整したほうがいいかも知れませんしね。
↑こう見ると別に悪くはないです。(壁と冷蔵庫の角にググっと押し込んだら一応90度にはなります)
次は、棚板をL字に接続する作業からほぼ完成の状態、後はオイル塗りを残すのみ、というところまで持っていく予定です。
[DIY]駆け足でL字棚の途中経過
前回は父と一緒にDIYという楽しい盆休みでしたが、その後ぼちぼち地味な作業を進めておりました。一応左右の柱に梁をネジで留めるとこまでやりました。
ノミでキリかぎ作業
父にもらったノミで、
カギ込み作業の続きをやったり。
ノミで削る作業の際は特に、軍手してると恐怖心が消えて作業やりやすいです。
切りかぎ部分のヤスリがけ作業
ある程ノミで削って度荒く整えたら、紙ヤスリの40番で削ると良いということも発見しました。ノミだと削り過ぎる恐れもあるけど、紙ヤスリ(40番)は思いのほか削れるかつ削り過ぎない。
↑ノミで削った後
↑40番でやすると、
↑この程度まで整います。完成時には露出しない接続部なので、この程度整えばOKかと思います。
作業がラクになるちょっとした気付き
これも父がやってるの見て気付いたんですが、座ってノコギリ使うときは、特別台を準備しなくても、こんなふうに角材2本の上に乗せると切りやすい。
棚板の切りかぎ作業
棚板のほうも、柱の部分を切りかぐ作業を進めたり。
作業の合間に
そして作業の合間に役に立ってくれるのはこいつです。マキタのコードレス掃除機。
私はこいつが大好きです。紙パックより断然カプセル派です。
休日には次の作業で使う道具を物色しに旦那とコーナンに行ったり。
自分一人だとピンポイントで目的のものだけ物色して帰ってきてしまうんですが、旦那がついて来てくれると、私が物色してる間ヒマらしく、「こんなんあるよ」といろいろ見つけてくれて助かります。
↑電動ドライバーの先に取り付けられるヤスリのようなもの。あー、これ知ってればもっと時短できたなぁ・・・。
↑極めつけはこいつ。アダプタを取り替えるだけでドリル、ドライバ、ジグソー、サンダーの機能を兼ね備えるという・・・。あーこれあったら木材の切り出しやヤスリがけの時間が格段に短縮できるだろうなぁ~。もし頻繁にDIYする機会に恵まれたら欲しい。
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錐揉み作業
そして、めんどくさい墨付けを経て、柱にドリルで穴あけ。父は穴あけのことを「揉む」とか「錐揉み」とか言ってたけど、ドリルの場合も錐揉みでOKなんでしょうかね。
ちなみに、キリを両手ですり合わせる、つまり「揉む」から錐揉みなんですね。今回父に相談しつつこの棚に挑戦したおかげで、いくつか大工さん用語や技術を得ることが出来ました。これもそのうちこのブログでまとめようと思っています。
ネジ締め
そしてこんなふうにネジで締めて
両端の柱と梁を繋げるところまでこぎつけましたー。
今回は、地味な作業が中心なので駆け足で。
ところでコーナンに何を物色しに言ったかというと、これです。
お盆に、父に「座堀(ざぼり/座彫り)」という手法について教えてもらったので、その作業に必要なちょっと大き目のドリルを見に行ったのでした。約600円。
当初は費用にこだわっていたのにいろいろ試してみたくなって道具まで買い足すという・・・。でも楽しいからいいかな。
ということで、次回は「ザボ」ります」。
おにぎりと社畜をめぐる戦い
数日前の甲子園女子マネージャーのおにぎり騒動。当初はただ世の親御さんたちの「学業を優先して欲しい」という願いが発端だと思っていましたが、しばらく眺めているとそうではないことがわかりました。ツイッターやブコメを眺めていていろいろ発見したのでちょっと思ったことをまとめておこうと思います。
大人たちがおにぎりに映し出したいくつかのこと
たぶんその女子マネージャーは、自分が熱中できることをだたやっていただけなのだろうと思う。しかし大人たちはそれぞれ「おにぎり」にいろんな意味づけをした。
- 男尊女卑の象徴
- 組織における個人の犠牲/組織からの搾取の象徴
1つ目は言うまでもなくジェンダーの問題。冒頭にも書いたとおり、最初は学業を犠牲にしていることへの批判と思われたけど、その影にこういった批判も隠れていた。ただ2つ目に比べるとこちらはわりと見つけやすかった。
しばらくして、この騒動で批判に回ってる人の中には2つ目の理由で批判している人もいることがわかった。おにぎりを握る彼女をブラック企業における社畜になぞらえた意見がちらほらあった。
これ以外にもあったかも知れないけど今回はスルーする。
ジェンダー的な問題はわりとよくある批判だけど、2つ目の問題については自分としては新たな発見があったので、今回は以下にそれを掘り下げてみる。
「おにぎり」を社畜に重ね合わせる人たちが想定している問題点
- 見返りのない労働である
- 体を壊したり精神的に消耗して将来を棒に振る可能性がある
- 1人の生徒ががんばっておにぎりを握ることによって、他の生徒も同じことを求められる危険性がある
ブラック企業の話題で、雇用者側ではなくいわゆる「社畜」と呼ばれる従業員側が批判されることがあるけど、その場合批判内容は主に上記の3つだと思う。そして今回はこれらを「おにぎり」に重ねあわせて否定的に感じているのだろうと想像した。以下にそれらを1つづつ検証してみようと思う。
1.本当に見返りのない労働であったか
については、これは本人の意思によるところが大きいと思う。もしその行為(この場合はおにぎりを握ること)自体に楽しさを覚えているなら、もうそれだけで楽しみを得てる、つまり得るものがあると思っていいのではないかと思う。そして彼女の場合、将来の夢が保育士さんらしいので、この「誰かの世話をするという行為」の中に、経験として得るものがあったかも知れない。決してOA入試云々の話ではないし、もちろん彼女にそんな計算もないはずである。
ただ、これが誰かに強いられてイヤイヤやってたのであれば話は全く違ってくる。この件を否定的に考える人たちの言う通り、消耗するのみの犠牲的行為である、つまり見返りのない労働であると思われる。
2.体を壊したり精神的に消耗して将来を棒に振る可能性
については、必ずしもそうではないと思う。例えば、いわゆるフロー状態に入っている場合なら、ストレスや消耗どころかその経験を活力や将来の糧にしている可能性もある。また、人の資質は人それぞれなので、多くの人が疲れてしまうような活動量でも、ものすごい処理能力で対処できてしまう人もいるので一概に「これだけ働いたら体を壊す、消耗する」とは言えないはずである。
3.1人が頑張れば周りの人間のハードルも上がってしまう
という問題については、これは実際その可能性はあると思う。ぶっちゃけ迷惑に思う人間が周りにいてもそれも必然のように思う。
ただだからと言って自発的に頑張りたいと思っている個人が周りを気遣って自分の行動を制約する必要があるかどうかについては否だと思う。じゃあどうするのか。これは戦うしかないのだと思う。
「自発的に頑張りたい人」と「ハードル上げられると困る人」のどちらが正でどちらが悪ということはない。どちらも自分の立場をかけて戦うのである。
具体的には、ハードルを上げられると困る人は、「そんなに頑張る必要ないよ」ということを相手に吹き込む。またはその本人以外の周りの人間にそうささやいて、「がんばること」に否定的な空気を作りこむ。これが「ハードルを上げられると困る人」の戦術ではないかと思う。
では一方の「自発的に頑張りたい人」はどう戦うか。
これはひとえに「空気を読まない」。これに限ると思う。
空気を読まないと言えば聞こえが悪いけど、自発的に頑張りたい意欲が内から湧き上がってる人にとって、空気はまさに空気以外の何物でもなく、つまり勢いで吹っ切るもの以外の何物でもないのである。戦いが挑まれていることすら気づいていない可能性のほうが大きい。
ただ、内から湧き上がるものの力が弱い場合は周りの空気が読めてしまいこの戦いに負けてしまう可能性も大きいと思われる。
そしてこれを大人たちのネット上の社畜議論にフィードバックしてみる
と、見返りのない労働や消耗することを懸念する正論の影に、「ハードル上げられると困る人」たちの戦いが見え隠れするのである。この戦いにおいて、社畜は働いていてソーシャルなんて見てないので、「ハードルを上げられると困る人」は、社畜以外の一般の人を相手に「そんなに頑張る必要ないよ」という空気を形成することに励んでいると思われる。で、今回のおにぎり騒動も、その戦いの場に利用されたのではないか。
で、私はこの戦いがいけないとは思っていない。丁々発止お互いの尊厳をかけてやりあえば良いと思う。
一方には家庭や健康の事情で労働にリソースを避けない、または能力や体力の限界を自覚してしまっている、あるいは仕事内容が嫌いだけどお金のためだけにやっている等々、ハードルを上げられると困る正当な理由があるはずだから。もう一方は先に述べたとおり。
ただ、「がんばる必要ない」という空気が過剰に蔓延してしまうと、日本の経済活動に支障をきたすんじゃないかと思ったりする。
低賃金労働が過剰に行き過ぎると経済にダメージを及ぼすように、「がんばる必要ない」という空気が過剰に蔓延するとそのまんまの理屈でGDPが下がってしまうんじゃないかと。そして一企業においても一部の能動的な人材がその他の人材も含めた企業活動の存続を支えていたりするので、あまり「がんばる必要ない」が蔓延し過ぎると「ハードル上げられると困る人」にとっても死活問題かも知れない。
結局何が言いたかったか
それは、
「身を削ったり無理は良くないけど、楽しくがんばることは悪いことではない」
ということ。
ブラック企業の反動で、どうもがんばること自体が悪いことだと勘違いしてしまいそうな空気があるけど、自分が楽しくがんばれるなら、世の中に何か還元できる可能性もあるし、自分の将来の糧になるかも知れない。過剰やアンバランスでない限り、がんばるのは悪いことじゃないはずである。
ということで、空気読まずに楽しくがんばる(がんばるという言葉が気に入らなければ適当な言葉に置き換えていただいて)人が増えるといいな彼女のように、という思いと、楽しく働いていてソーシャル上で反撃する機会のない社畜の援護射撃のつもりでこれを書いてみる。
途中から酔っ払って書いてるので、何の論拠もないことを断定的に勢いだけで書いてしまったけどたぶんこれで合ってるんじゃないかと思う。