毎日楽園化計画

生活のありとあらゆるものを楽に楽しくするレシピ作りと、時々湧き上がる思考の整理

香水にもアロマテラピーにも無知な私が精油で柑橘系の香水を作りたいという衝動に抗えずに実行してみたらいろいろわかりました[香りの設計編]

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香りへの関心と「自分好みを極めた香水を作りたい」という欲求が高まり、そして抑えきれず、精油を使って本当に作ってしまった・・・、までは良かったものの、作ってから「あれ?精油ってけっこう人体に作用するものなの?」と気づいて書いたのが前回のエントリーでした。

今回は、作りながら気づいた香りのあれこれを書いていこうと思います。

ちなみにタイトルにも書いてますが、念には念を押しておくと私は香水にもアロマテラピーに対してもほとんど知識ゼロで、ゼロスタートゆえに今回たくさん発見がありました。無知ゆえに新しい発見が楽しい!「お母さん、靴が小さくなるんじゃなくて足が大きくなるんだよ!知ってた?」的な、当たり前の発見というか、以下そんな素朴な報告が続きますが何とぞご容赦ください。

 

[香りの設計1]なぜわかりやすい柑橘の香りの香水が少ないのか

「自分に合う香りを見つけたい!」と思いたち香水探しをしたのがたしか1月半ばでした。具体的には柑橘系の香りを探していました。パシャのグレープフルーツのような香りでもっと持続性があるものはないだろうか。いろいろ試香したけど結局ありませんでした。

どうもそれ相応のクラスの香水は、柑橘系といっても奥深いというか大人っぽく複雑というか、パシャのような柑橘そのまんまみたいな香りはまずないということがわかってきました。実際フレグランス通の方のレビューなどを拝見すると、そういったわかりやすい柑橘系は「子どもっぽい」と評されるようです。

しかし今回自分で香水を作ってみて、なぜそういった柑橘系の香水がないのか、はっきりわかりました。それはどうも香水の「ノート」と関係があるようです。

どの香水もだいたい柑橘系をトップノートに持ってきているなぁと漠然と思ってましたが、実際作りながらだんだんその理由が確信に変わりました。要するに柑橘系のあのさわやかな香りは「長続きしない」香りのようです。それはどの柑橘系の精油も「トップノート」に分類されていることからわかりました(ハーブや樹脂系の精油の中には、ミドルやベースでも柑橘っぽい香りを放ってくれるものもあるようですが)。

それ相応のクラスの香水が複雑なのは高級感を持たせるためもあるだろうけど、香りを長続きさせるために柑橘系以外の香料をブレンドせざるを得ないという、もっと差し迫った理由があるんだろうなと。それゆえ持続性のある高級な香水にはわかりやすい柑橘系の香りがないってことなんだろうなと思います。

 

[香りの設計2]なぜ香水は時間とともに香りが変わるのか

ということで、香水に「ノート」がある理由もわかってきました。わざとトップ、ミドル(ハート)、ベースと分けているわけではなく、立ち上がりの早い柑橘系のような香り(トップ)と、ゆっくり目に立ち上がる香り(ミドル)と、余韻が長く続く香り(ベース)を調合することで香水の持続時間を維持しようという工夫だったと。時間とともに香りに変化があるのは必然だったのですね。

 

[香りの設計3]それぞれのノートの香りの傾向

そんなこんなでいろんな精油を試すうちに、トップ、ミドル、ベース、それぞれのノートの香りの傾向がわかってきました。あくまでも私の印象ではこんな感じです。

  • トップ・・・爽やか、フレッシュ、軽い(香りの分子が小さいゆえ揮発性が高い)
  • ミドル・・・トップとミドルの中間。爽やかさも甘さもあるフローラルとか?
  • ベース・・・甘い、重い、まったり濃厚(香りの分子が大きいゆえ揮発が遅い)

たとえばトップノートなら、
「香り成分の分子が小さい=揮発性が高い=香りの立ち上がりが早く持続性が短い」
ということのようです。

 

[香りの設計4]ノートを超えた精油もあるらしい

トップからミドルとか、ミドルからベースといった分類の精油はよく見るのですが、中にはすべてのノートをカバーする精油もあるようです。たとえばレモングラスはだいたいトップノートと記載されているサイトが多かったけど、ひとつ「トップからベース全て」と書いているところがありました(こちらのgosetsumei.comさん)。

じゃあレモングラス入れたらずーっと最後まで柑橘の香りが続くのかというとそうでもないようです。スキンケア大学さんによると、

鮮烈な立ち上がりの早いレモングラスの香りはトップノートですが、後々にハーブ系のほのかな甘みと温かみある香りの余韻も楽しめるベースノートでもあります。

とのことで、レモングラスの柑橘っぽい香りは最初のほうで、ミドル、ベースと進むにつれて違った香りになっていくとのことです。ということは!ひとつの精油の中にもトップの香り成分、ミドルやベースに該当する香り成分があるってことなんでしょうね。

 

[香りの設計5]天然香料(精油)は香り成分のユニットだったのか

 上記のことからも、精油ひとつの中にさまざまな香りの成分が含まれているということは予想がつきます。精油同士をブレンドする以前に、香り成分が自然の中でブレンドされ、いわばひとつの"ユニット"となっているのが天然香料(精油)なんだなぁと。(こういう「実は入れ子だったの?」みたいな感覚、ウェブでプログラムの中を覗いてみたときにも感じたことあるなぁ・・)

 

[香りの設計6]ちゃんとした香水は輪郭がクッキリしてる気がする

香水を作っているとき、この“ユニット(勝手に私が呼んでるだけです)”ということを痛感させられたことがあります。

 実は一度目の香水は失敗したのですが(自分に吹きかけた瞬間、食道の真ん中に得体の知れない何かを感じるほど妙なにおい)、そのときに一体何がまずかったんだろうと、ちゃんと香水売り場で売られている香水をプシュッとして嗅ぎ比べてみたわけです。

すると、香りの輪郭がクッキリしてるというか、不必要な香りがきれいに削ぎ落とされているというか、本当に鮮明な香りなわけです。

ここからは素人の想像ですが、合成香料なら、天然香料(ここでは精油)のように“ユニット”単位ではなく、成分を一個一個個別にあつかえるんだろうなぁと。つまりこの成分は欲しいけどこの成分はじゃまだと切り捨てられる、だからあんなクリアな香りになるのではないかなぁ・・・、と思ったわけです。

自信がないのでwiki見てみると、

広義の合成香料は、精油などの天然物から単位操作により取り出した単離香料と、化学製品より製造した狭義の合成香料とに分類される

って書いてるのであながち間違ってないと思われます。

余談ですが、シャネルの有名な香水には「アルデヒド」(たぶん合成香料)が入ってるらしいですが、レモングラスなど柑橘系の精油に含まれる「シトロネラール」もアルデヒドの一種なんですね。

そしてふと気づいたのですが、香水で頭痛くなったりするのはこの「クッキリした輪郭」のせいかも知れないなぁと。要するに自然界ではありえない香りの調合が可能で、過剰に香りを際だたせることも可能なわけですから、中にはそれに馴染めない人も出てくるのかもしれません・・・と思ったけど、そういえば自分は天然香料で自作した香水で気分が悪くなったなぁ・・・。

合成香料にせよ精油にせよ、人間が手を加えてるものだし、そういった成分が体内に入ることで体に作用するのは同じなのかもしれません。精油のほうがまだ自然に近い分、苦手な人が少ないってことかな?

 

[香りの設計7]素人が精油で香水を作るにあたっての限界

じゃあ変なにおいの香水が出来上がったのは天然香料だったせい?と自問してみましたがもちろんそんなそんなわけありません。

腕がない、知識がない、経験がない。もしかしたら香料の品質の違いもあるかも知れないけど、本当の原因は自分が素人だからだと思います。

精油をブレンドする前にビーカーに無水エタノールを入れてしまい、無水エタノールのにおいしか判別できない状態でブレンドするようなレベルです。失敗して当然といえば当然です)

そもそもプロの調香師の技術や知識・経験に追いつけるわけありません。いくつもの香りの成分をひときわ美しい香りになるよう、ノートや香りの強さ、持続性も考慮しながら組み合わせるわけですから簡単なわけありません。こっちのエントリーには成分の体への作用について書きましたが、そういった安全性の検証含め研究費もかかることでしょう。香水に限りませんが、どんな人がどんな使い方をして事故が起こるかもわかりませんし、そういったことも想定して作られてるのだろうと思います。香水っていい値段しますが、それも当然だなぁとわかってきました。なめてました。ごめんなさい。

あと、高級な香水は質の良い香料を使っているんだろうとも想像します。

 

[香りの設計8]精油にはブレンドファクターというものがあるらしい  

精油はそれぞれ香りの強さがバラバラのようで、たとえばジャスミン・アブソリュートは一滴で充分香るけど、ベルガモットは香りが弱い、といったことがあるようです。

香りの強さの指標はいろいろあるようですが、「ブレンドファクター」というものも、精油をブレンドする際に参考になるかも知れません。ただこのブレンドファクターは、香りの強さだけでなく、もっと大事な精油の作用や禁忌など、他の要素も考慮して決められているようです。これについてはこちらにも書いてます。 

 

 

[香りの設計9]ミドルやベースでも香ってくれる柑橘っぽい香りもなくはない 

冒頭で、長続きする柑橘系香水がないのは柑橘系のほとんどがトップノートだから、みたいなことを書きましたが、いろいろ見てるとミドルやベースでも柑橘っぽい香りを放つ精油はあるようです。でもだいたいハーブ系や樹脂系で他の香りも含んでるようですが、柑橘好きなのでリストアップしておきます。

  • レモングラス(トップ〜ベース。でも後半はハーブっぽい香りになるらしい)
  • レモンバーム(ミドルノート。別名メリッサ。まだ試してません)
  • カルダモン(トップ〜ミドル。レモンっぽい香りを含んでるらしいけどまだ試してません)
  • フランキンセンス(ベース。レモンっぽさもあると見ましたがよくわかりません。でもいい香り)

ただ、柑橘系の香りにしたいからという理由だけでブレンドして安全性は大丈夫?という疑問はあるので、もしブレンドするなら安全性や禁忌、効能も調べてからやったほうが良さそうです。

 

 

以上、香りの設計にまつわるいろいろでした。

きっとDIYやハンドメイド全般に言えることだと思いますが、欠点が多かろうが「自分にピッタリの」「自分だけの」「自分のアイデアを自分の手でをかたちにする」・・・こういった楽しさには、市販の良い製品を買うのとまた違った愛着やよろこびがあると思います。これをひとことで「自己満足」と呼ぶのかもしれません。「出来の悪い子ほどかわいい」ってことばもあります。

ただ、これも全般的に言えますが「安全性」も考慮してやらなきゃなぁってのもあります。自分に、あるいは自分の環境でこれを作って使って安全なのか。

で、精油にもその安全性について注意する点があるようです。そう気づいたので、先にこっちのエントリーを書きました。

 

次は、基材や実践についてまとめようと思います。