過小評価されてると思う財布
機能もデザインも兼ね備えているのに、手の届くところにいてくれる。おしのびで下町にやってきたお姫様みたい。
実際、ローマの休日のヘップバーンみたいな、上品さと親しみやすさ、知性を感じるんですよね。
もう20年ほど前、まだイオンがジャスコだった頃、そのテナントの、決してオシャレとは言えない鞄店にダコタは並んでいました。
おしゃれな財布は百貨店でしか買えない。お金ないし妥協するしかない。そう思っていた二十歳そこそこの私の目に飛び込んでくるキラキラした光景。
こんなところに素敵な財布があるわけがない。だけど、つやつやした革の感じとか、色のバリエーションとか、その棚を見るだけでときめくんですよね。
そのとき私のもとへやってきたのがダコタのクラプトン、二つ折りでがま口のタイプです。
それから20年。とうとうがま口が閉じなくなり、いよいよ買い替えの時が来ました。
手先が不器用な私でもとても使いやすいがま口の二つ折り財布。また同じものを買おうと探したらありました。20年消えずに存在してるってすごい。
今は一万円越えかぁ。
当時、6000円か8000円台で買った記憶があるけど、まあ20年経ってるし、そもそもこれくらい、あるいはそれ以上の価格が見合う製品だと思います。
さっきも書いたけど、手先不器用な人って、小銭出すのでもたもたするんですよ。でもがま口だと、ぱかっとワンアクションで開いて見渡しやすい。
あと、二つ折りにして留めるホックですが、ベルトになっていて長さがあるおかげで、中身が増えても留めやすい。不器用だと、ホックさえ上手くはまらないことがある。
それまで使いやすい財布に出会えなかったぶん、細かいとこまで吟味して買ったんですが、まさか20年以上使い続けるとは。
本当は、せっかくだから別の財布にしようかと思ったんですけど、なかなかピンとくるものがないんですよね。それで、同じダコタのクラプトンがま口を買うつもりだった。
だけど、
「今後キャッシュレスに移行したらカード増えるな」
ということで、ふたたびネットの財布の旅へ。
それで見つけたのがやっぱりダコタ。
カードいっぱい入るし、普段荷物少ないのでこれで良くない?と。
荷物が増えたら、ショルダー紐を外して、これごと大きなバッグにインして使おう。そしたらスマホの入れ忘れもないし。
じゃあ実物を見に行こう。ということで、都心のお店へ。
本命を見に行く前に、他の棚の前をうろうろ。やっぱりダコタの並ぶ棚はいいなぁ。がま口タイプもちらほら。やっぱりがま口いいなぁ。パチンという音とか。
で、気づけばこの子がうちの子に。
ネットで見たときは、ぱかっとワンアクションでぜんぶ見渡せるし、カードもたくさん入るので、機能的には最高だなぁ、でも革を編み込んだデザインが好みじゃないなぁと思ってました。でも実物ってすごいですね、なんかオーラを発していて、気づけば魅了されてました。
二つ折り財布から、なぜかこのキャッシュレスの時代に長財布に移行し、そのおかげで普段使っているミニショルダーに入らなくなり、そっちのほうも買い替えるはめになりましたが、今回の買い物には満足しかありません。
鞄は多少作りが甘くても大して問題にならないですが、財布は、カードやお金の取り出しやすさが大きく影響するので、買う前にけっこう悩みます。
それにデザインも好みのものとなると、私の場合はダコタに戻ってくるようです。
ということで、過小評価されている、というより、自己主張せず寄り添ってくれる、ダコタのお話しでした。
▼初代 ダコタ クラプトン がま口二つ折り
▼2代目 ダコタ テッセレ がま口長財布
▼候補にあがったお財布たち